「谷は眠っていた。」より
  あなたは文明に麻痺(まひ)していませんか。
  車と足は どっちが大事(だいじ)ですか。
  石油と水は どっちが大事ですか。
  知識と知恵は どっちが大事ですか。
 理屈と行動は どっちが大事ですか。
 批評と創造は どっちが大事ですか。
 あなたは 感動を 忘れていませんか。
 あなたは 結局 何のかのと 云いながら、
 わが世の春を謳歌していませんか。
  ドラマ「北の国から」をつくった倉本聰さんの文明への警告にあふれた詩です。
  かつて彼がやってた演劇人を育てる「富良野塾」。月謝はタダ。にんじんやジャガイモを作り、それを売って生活費に当て、住むところは自分たちの建てたログハウス。
  河浜は、富良野塾から、毎年、にんじんを買っていました。でもそのにんじんは色も良くないし、形もいびつです。中には、二股に分かれたもの、右に左にゆがんだものも・・・。それでも、ちゃんとにんじんの味がします。薬品で磨いてきれいに化粧した形の整ったお店のにんじんと全く変わりません。
  車と足は、足が大事。石油と水は、水が大事。そんなことは分かっています。それでも、ぼくは車に乗っているし石油も使っています。けれど、この詩が訴えたいことを心にとめておこうと思います。少なくとも感動だけは忘れずにいたいと心から思っています。子供たちに伝えたいことはたくさんありますね。(写真は吉和山荘の春2017)

